おはこんばんちわ、namimoriです。
前回の続きで、小粒なクランクを作っていきます。
今回の作業で使用した道具
今回の記事中の作業で使用した道具を先に挙げておきます。
前回と重複するものは割愛します。
- 針金(0.9㎜)
- 丸ペンチ
- ペンチ
- ガン玉おもり(5B or 6B)
- デジタルミニスケール(電子測り)
- 木材用のドリルビット(8㎜)
- ドリルビット用のグリップ
- 彫刻刀
- 瞬間接着剤(液状・ジェル状)
- サーキットボード(0.5㎜)
- 棒ヤスリ
前回で研磨し終えた3つのブランクに、ラインを結ぶアイとフックを付けるアイを取り付けていきます。
数日置いてブランクを見てみると・・・
よく見るとまだちょっと整える必要がある
前回の作業から2日ほど経過してから改めてブランクの形を見直します。
テールの部分はパッと見た感じだけでは問題なさそうでしたが、よく見てみると左右のボディの厚みが微妙に違うのが分かりました。
テールの先端の太さが細かったり、サイドのエッジが削り足りないものがあるのも分かります。
フックアイとウェイトを挟み込むことになるフロントフック近辺に関しては、サイドのエッジが削り足りないように見えます。
横から同じ個所を観察すると、まだフロントフックアイ近辺の盛り上がりが大きすぎる感じがしてしまいます。
作業の間に時間を空けて冷静になってみる必要あり
上のブランクを見て気になった箇所は、#1000くらいのヤスリを使って微調整していきます。
ブランクの形を完成させてから、その勢いで次の作業に移ると集中力が途切れたり疲れたりしていて、ブランクの形を最終的に修正不可能なほどの歪なルアーを作ってしまう可能性が上がります。
なので、前回までの作業でいったん一区切りしてから時間をおいてブランクの形を見る、という方法を毎回とっています。
一度自分の作っているものから離れて、再度見たときに客観的にそれの調整するべき場所をみるのは毎回行っています。
という事で、再度ヤスリで削ってブランクの形を整えました。
前回の終わりよりは若干ですが、形を整える事が出来ました。
ここまで出来たら、張り合わされているブランクを内部の両面テープを外して左右に分けていきます。
ブランクの内部に貼り付けた両面テープを剥がしていくのですが、その際にはバルサが潰れないように注意して左右に分けます。
もしバルサが大きく潰れてしまった時には、ブランクを少し削って微調整をします。
ブランクの形をとって、完成形と比べてみる
ここまでの作業で、最初に想定したブランクの形と現在の形に違いがどの程度出ているかを確認していきます。
大幅にブランクの形が変わってしまった場合には、その形を紙に書き写して対応します。
上の画像のように最初の設計図と重ねてみるか、もしくはブランクの形を書き写すときに使ったクリアホルダーの切り抜きを直接ブランクに重ねてみます。
上の写真では最初の設計より若干ブランクの形がずれていますが、この程度なら無理に設計を作り直すほどではなさそうなので、この設計図のまま次の作業に移ります。
ルアーの内部のパーツを作っていく
ラインやフックを結ぶ針金を作る
ブランクの内部に通す針金を用意します。
今回は強度と加工のしやすさから、0.9mmの針金を使用します。
また、ルアーにラインを結ぶラインアイやフックを取り付けるフックアイの箇所を作るために、先端が丸まった丸ペンチを用意します。
上記のどちらも100均で手に入るものです。
ちなみにこの丸ペンチはかなり役に立つので、ルアーを作る際にはぜひ持っておきたいです。
道具の準備が出来たら、設計図に書いておいた針金の形に沿って実物の針金を曲げていきます。
設計図に針金をあてがって、どこら辺をペンチで曲げるのかの位置決めをします。
針金をおおよそ曲げる箇所を消えたら、その位置にマッキーなどの油性ペンでマーキングしておき、丸ペンチで曲げて形を整えていきます。
できるだけ一回で針金を曲げておいた方が綺麗な形に作ることができます。
ためらいながら何度も曲げると、針金がグニャグニャになってしまうので曲げる箇所を決めたらぐいっと曲げてしまいます。
ラインアイやフックアイの部分は、強度を上げるためにも丸ペンチで輪を作っておきます。
作り方は、針金を曲げた先端に丸ペンチを当てながら、別のペンチでわっかの根元をカシメる感じです。
この作業は少し慣れが必要かもしれません。
ラインアイ、フロントのフックアイ、リアのフックアイを順番に作っていくと上の写真のような形になります。
若干設計図とずれていても問題はないと思っているのでそのままにしておきます。
針金をブランク3つ分作り終えたところです。
ひとつだけラインアイを独立させたものがありますが、個人的に作ったことの無い形だったので試しに作ってみました。
ブランクひとつ分の針金をひとつ完成させるたびに、ブランクと合わせて大きく形がずれていないかの確認もしていきます。
大丈夫そうなら針金を一度ブランクで左右から挟み込んでいきます。
この時にあまり力を入れてブランクを握ると、バルサ材の形が変形してしまうのである程度力を抑えて左右からブランクを合わせます。
針金を中に通しながらブランクをぎゅっと合わせると、内部に曲げた針金の形が残ってくれます。
これが実際にブランクに通す針金の位置になりますので、この線に沿ってブランクの内部を軽く押して彫っていきます。
針金の通る線に沿って、別の針金を曲げたものをなぞっていきます。
バルサ材は柔らかいので、これだけでもくっきりと跡が付きます。
この作業もバルサを掘り過ぎないように力加減を調整しながら行います。
ブランク3つ分の針金の跡が彫れました。
バルサ材の硬さや木目の位置によっては、線が彫りきれないときもあるので、そういった場合はカッターや彫刻刀を使って線を彫っていきます。
内部に内蔵するウェイト用の穴を彫る
次にルアーの要となる内蔵するウェイト(おもり)を決めていきます。
今回作るルアーでは、デュエルのガン玉を使います。
使うサイズは5Bです。ひとつの重さは大体1.8g前後です。
いつもは6Bのガン玉を使用しますが、もう少し軽く作るとどうなるかも知りたいので2つは5B、1つは6Bのガン玉を使用してみます。
まず、ガン玉をカッターでなるべく均等な重さになるように上から真っ二つにします。
最初に上から位置を決めて、下の土台が硬いところで上から力を加えて2つに割ります。
ここでカッターの刃を入れなおすと、断面が潰れたりギザギザになったりするので一度で決めます。
ウェイトを2つに割り終えたら、それぞれの重さを測ります。
2つのウェイトの誤差は±0.12gです。
この誤差を考慮して、ブランクの重さと合わせて再び重さを測ります。
ブランクとウェイトを組みあわえた左右の重さの誤差は、±0.03gとなりました。
この程度の誤差なら許容範囲内かと思います。
できるだけ左右のバランスを取りたいので誤差が少ないように組み合わせます。
誤差が大きいなと感じたら組み合わせを変えたり、新しくウェイトを作り直します。
使っているスケール(はかり)については以下の記事をどうぞ。
ウェイトの準備が出来たら、ブランクにウェイトを埋める穴を彫っていきます。
まず、木材用のドリルビットで穴のベースを作っていきます。
電動ドリル用のドリルビットを、手作業で使えるようになってるグリップにはめて使用します。
ちなみにサイズは8mmのドリルビットです。
ウェイトを彫る穴の位置決めは、まず針金とウエイトが重なる位置にマッキーなどで針金本体にぐるっと目印をつけます。
針金本体に目印を付けたら、針金をブランクにあてがい位置を覚え、そこから針金を少し横にずらしてマッキーでブランク側に目印を付けます。
後はブランクにつけた目印に従ってドリルビットでベースの穴を彫っていきます。
その際に穴を彫り過ぎて貫通しないように注意しながら作業していきます。
ベースの穴が彫れたら、ウエイトが埋まるくらいの深さまで彫刻刀で穴を彫っていきます。
途中でウェイトを試しに入れながら深さを調整します。
こちらもあまり彫り過ぎないように気を付けて作業します。
左右どちらも同じように作業していき、無事にウェイトが埋め込めました。
穴の深さとしては、真ん中に通す針金に干渉しない程度まで彫ります。
穴を彫った分ブランクが軽くなっているので、ここでも左右のバランスをとるために重さを再度スケールで測ります。
ブランクの左右ともに0.01g軽くなってますが誤差も±0.03gなので問題はなさそうです。
ウェイトの穴は彫ったままでは強度が心配なので、瞬間接着剤などで内部をかるく補強しておきます。
ブランクを内部パーツと一緒に張り合わせる
ブランクの張り合わせ
針金とウェイトの位置決めまで終えたら、左右のブランクを張り合わせる作業に掛かります。
ブランクの張り合わせに使用するのは瞬間接着剤のゼリータイプです。
こちらも100均で購入できます。
ここからの作業は瞬間接着剤の硬化時間が短いためスピード勝負になります。
まず、張り合わせるブランクの片方に瞬間接着剤をまばらに垂らしていきます。
ブランクを張り合わせたときにはみ出してくるので、つける量は程々にしておいた方が綺麗にできます。
瞬間接着剤を垂らし終えたら、もう片方のブランクの位置をしっかり確認して一気にブランクを張り合わせます。
ここでためらうと中途半端な位置でブランクがくっついたり、ずれる事があるのでできるだけ力を入れすぎないように一気に張り合わせます。
こちらが張り合わせ作業が終わった後の様子です。
上二つは無事に張り合わせが出来ましたが、一番下のものは、ウェイトの穴の深さが足らなかったようで、張り合わせ時に左右のブランクが微妙にずれました。
張り合わせで左右のブランクがずれてしまった場合は左右でデコボコができますので、ヤスリで削って再度成型しておきます。
リップを取り付ける
リップを取り付ける溝を彫る
張り合わせまで終えたブランクにリップを取り付ける溝を彫っていきます。
リップ用の溝を彫るタイミングは、ルアーを自作する人に寄って違いますが、個人的にこのタイミングにやった方が溝がずれにくい感じがします。
作業手順ですが、まずリップを取り付けても埋め込んだラインアイの針金と干渉しない事を意識して、前面に溝を彫る位置を決めてボールペンなどで横に線を引いておきます。
次にルアーを横にして、リップの角度をこれまたラインアイの針金と干渉しないような角度に決めて線を引きます。
この際に左右の角度にずれが無いか、何度も慎重にチェックしておきます。
前面と横面の溝を彫る線を決めたら、ブランクをさかさまにしながら、前面と横面の線に沿ってカッターの刃を押し当てるように切っていきます。
ある程度カッターで線の目安まで切れたら、カッターの刃先やデザインナイフの刃先で切り込んだ箇所を綺麗に成型します。
ここの作業でリップを差し込む溝がずれたまま挿入すると、ルアーがまっすぐ泳がなかったり、巻いている途中で浮き上がってしまう事があるので、集中して作業します。
リップ本体の原型を作る
次に挿入するリップを作っていきます。
リップをできるだけ左右対称にしておきたいので、まず四角く切り抜いて半分に織り込んだ紙に縦に半分にしたリップの形をイメージして書きこみます。
書き込みが終わったら、その線に沿って紙を織り込んだまま切り抜いていきます。
切り抜いた紙を切り抜くと・・・
こんな感じで左右対称のリップの原型が完成します。
リップの原型が完成したら、リップに使う素材に原型を書き写します。
今回使用したのは、0.5mmのサーキットボードです。
傷アリのB級品ですが実用上全く問題が無く安価なので、よくリップとして使用しています。
原型をサーキットボードに書き写す際にはボールペンや油性ペンなどを使用します。
0.5mm程度の厚みのサーキットボードなら、ハサミで簡単に切れるのでらくちんにリップの形に切り抜けます。
この状態だと、まだリップの形がしっかり成型できていないのでヤスリで周りをヤスリで削って綺麗に仕上げていきます。
サーキットボードは少し硬めなので、棒ヤスリで研磨して成型するのが楽です。
削り過ぎないように注意して作業を進めます。
リップが完成したら、リップ用の溝に仮取り付けをしてセンターを合わせて位置を決めて、リップの端に液状の瞬間接着剤を少しだけ垂らして素早く溝に取り付けていきます。
ブランクの原型を作る作業終了
こちらが内部まで完成したルアーのブランク3つ分です。
この後の作業としては、下地のコーティングを行ってから塗装をして、最後にトップコーティングをしてすべての作業が完成です。
まだもうちょっとだけ続きます。
3つ一気に作ると結構しんどい度
サンキューベリーマッチ✌
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